マネジメント・リーダーシップ

正しい日本語推進委員会 委員長より

メンバーの言葉遣いがおかしかったり、ビジネスの現場に相応しくないと思われる話し方をしていると、

「ピピピ~。正しい日本語推進委員会 会員に任命!」と笑いながらメンバーに言うことがよくあります。

(注:「正しい日本語推進委員会」とは私が勝手に命名した私的委員会で公的なものではありません)

私自身が完璧な日本語を話しているかというと、そんなことは全くありません。それでもビジネスにおいて、必要最低限の言葉遣いのルール、マナーはメンバーに守ってもらいたいとの想いから、言葉遣いが気になるメンバーは私が勝手に会員に任命し、自分自身の言葉遣いに意識を向けてもらい、一緒に気持ちの良い日本語を使おうと働きかけているのです。

 

多いのは目上の人や上司、お客様に対して「了解です」を使う人。「承知いたしました。」「承りました」と言うように勧めます。私に対しては「分かりました」で構わないけれども、お客さまに「了解です」は決して使わないようにと口を酸っぱくして注意します。

 

学生時代のバイト言葉の延長も気になります。「これで宜しかったでしょうか?」「資料の方になります」なんで過去形なの?〇〇に方って何?「これで宜しいでしょうか?」「こちらが資料です」とすぐに訂正します。日本語学的に間違いかどうかは分かりません。しかし少なくとも私と同年代以上の世代、つまり、企業における管理職や経営層の方達は、このような言葉遣いをよしとはしないと思います。お客様から「え?なにそのバイト用語は」と思われないよう、これらについては小姑のように都度都度注意しています。

他にもオフィス内でついつい口にしてしまう「ヤバイ!」「ゲッ!」なども見逃しません。普段、何気なく口にしている言葉は、咄嗟の時にお客様の前でも出てしまいます。オフィス内での話し方から気をつける必要があります。

 

先日、喫茶店でお茶を飲んでいると、隣の席にお客様と思われる方に対して「ちょーぜつ」を連発している営業さんがいらっしゃいました。「ちょーぜつ?」最初、私は意味が分からなかったのですが、よくよく聞いていると「超絶=ものずごく、とても」という意味で使っているのだと分かりました。流行語大賞にもノミネートされていたようだし、確かに電子辞書にも載っています。しかし、ビジネス現場において乱用するのは相応しくないと私は思います。「弊社の研修は超絶評判がいいんです!」なんて言われても、私にはかえって軽薄なものに聞こえてしまいます。

「神ってる」も同じです。「弊社の〇〇講師は神ってるんです」なんて言われて、その講師に研修を頼みたいとお客様は思われるでしょうか?

 

かく言う私も入社間もない頃は、言葉遣いでは本当に苦労しました。「先輩に対しての言葉遣いがなってない。」と先輩女子社員達にかなり冷たくされた時期がありました。「は~い」ではなく「はい」、「〇〇さ~ん、電話です~」と叫ぶのではなく、デスクの脇まで行って「〇〇さん、お電話です」と丁寧に言うようにと注意を受けました。先輩がそうしているからと真似をするのではなく、新入社員としての礼儀と節度のある言葉遣いをするようにと事あるごとに注意されました。言葉遣いは人となりを表すんだよ、と。

 

どんなに見た目が素晴らしく知識や経験が豊富であったとしても、品のない言葉遣いだったり若者言葉を乱用していは、ビジネスの相手として信用を得ることは難しくなってしまいます。言葉は見た目以上に人の内面を映し出す武器にもなれば凶器にもなるのです。

常日頃から自分自身の言葉遣いに十分気をつけると同時に、メンバーにも言葉の持つ価値を十分に理解してもらい、お客様や関係者のみなさんに「気持ちの良い話し方」だと認めていただけるよう、正しい日本語推進委員会活動を更に促進していきたいと思います。

 

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