リーダーはサツマイモの天ぷらを作ろう

マネジメントこぼれ話 リーダーシップ

クールビズならぬ時差ビズを東京都の小池都知事が打ち出しましたが、近い将来は当たり前に在宅勤務が行われるような気がします。ICTの発達に伴い、オフィスに行かなくても仕事はできます。混雑した電車に乗って熱中症を心配しながら熱いさ中に出かけていくよりも、通勤にかかる時間と労力を他へ向けたほうが、はるかに良い仕事ができそうに思います。

そうなった時、慌ててしまうのはマネージャーかもしれません。

在宅勤務ならぬお客様先常駐や、営業所が離れたメンバーをマネジメントするだけでも苦労しているマネージャーはたくさんいます。それでも、お客様先にはお客様の目があるし、営業所内なら他のメンバーの目があります。

ところが在宅勤務となると、誰の目もなくメンバーを信じて任せるしかないのです。とかく「管理」したいマネージャーは、「在宅勤務になったらマネジメントなんてできるわけないだろう!」と怒り出すかもしれません。

その通り!そうなったらきっとマネージャーは不要なのです。

在宅勤務メンバーをマネジメントする時、必要なのは「管理する人=マネージャー」ではなく、「行先を示して導く人=リーダー}だからです。

そして最も必要なのはメンバーの精神的自律自立です。これなくして、在宅勤務メンバー中心のチームは成り立たないように思います。

ではメンバーを精神的自律自立の状態にするにはどうすれば良いのか。

メンバーの行動を一から十まで把握してあれこれ指図するのではなく、リーダーはチームの存在目的をメンバーが腹落ちして納得するまで何度も何度も語り、チームの目標も説明する。その上で、一人一人の存在意義と役割を理解してもらい、物理的には離れていても精神的には繋がっていることを全員に分かってもらうことが必要です。

 

この時大切なのは、リーダーは熱く語らないこと。説得しようとしないこと。心に響く言葉を使って話そうとしないこと。

「アイスクリームの天ぷら」をリーダーは作ってはいけないのです。

アイスクリームの天ぷらは高温で揚げるため、中に熱が入る前に外の衣がカラッと揚がります。アイスクリームの天ぷらをリーダーが作ってしまうと、その時は感動したり分かったように感じても、心の奥底にまで大切なことが沁み込んでいないので、時間と共に忘れ去ってしまい、メンバーの心には何も残らないのです。

 

リーダーはアイスクリームの天ぷらを作るのではなく、低温でじっくりと中にまで熱を行きわたらせ硬いものも柔らかく溶かしていく、例えて言うなら分厚いサツマイモの天ぷらを作るような関りをメンバーとしていかなければいけません。

優しく平易な言葉で何度も何度も語りかける。決して説得しようとしない。熱くならない。ゆっくりと丁寧に心に熱を届けるのです。そうして伝わった想いは簡単にはなくならないし、隅々にまでその熱が伝わっていて、リーダーの想いがいつの間にかメンバー自身の想いとなっていることでしょう。そしてそれができているチームは、想いと想いが繋がっているので、物理的に離れていようと気持ちが繋がっている。例え在宅勤務同志であっても、一つのチームとしてうまく機能していくのです。

 

リーダーがアイスクリームではなくサツマイモの天ぷらを作った方が良いのは、在宅勤務メンバーのマネジメントに限りません。日常においても同じことが言えますね。逆に言えば、普段からサツマイモの天ぷらを作るように心がけていれば、例え勤務体系変わろうとも何も慌てることはないということです。

 

そう言えば・・・

講演会などで「魂の叫び」などと、とても熱く語る講師の話を聞いた時は、その場ではとても感動するのですが、すぐに忘れてしまうことが多いように思います。逆に、静かな口調であってもじわじわと心に染み入る話し方をする講師の場合には、心の深いところにその言葉が届き、事あるごとにその言葉を思い出したりもします。

研修でも同じですね。私もアイスクリームの天ぷらではなく、サツマイモの天ぷらを上手に作ることができるような研修を行っていきたいと思います。

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