マネジメント・リーダーシップ組織開発

報連相は上司から

メンバーの報連相の悪さを嘆く声は、マネージャーが抱える問題としてよくご相談いただきます。

話の要領を得ない。タイミングが悪い。催促しないと行わない。困った時だけ言ってくる。

メンバーがこちらが望む理想的な報連相をしてくれたらどんなにいいだろうと、皆さん口をそろえておっしゃいます。

かつての私の同僚は、「報連相は上司への感謝なんだ。」と声高らかに叫んでいました。

なんだかなぁ・・・。それって、「上司に感謝しろ」と言ってるように聞こえるけどなぁ・・・。だいたい、感謝したくない上司だって、たまにはいるしなぁ・・・。それがあなただとは言わないけど・・・・。

こんな風に私はいつも思っていました。

実際、上司に対して深い感謝の思いがあったら自然と報連相はできてくるものかもしれません。

しかし、感謝したくてもできそうもない上司だって世の中にはいるもので・・・。また、「感謝しろ」と強制されるのも腑に落ちないし。メンバーの側にだって言い分はあるはずです。

 

そもそも報連相は何のために必要なのでしょうか?

報告・連絡・相談

これらはチームのコミュニケーション・情報の流れを円滑にし、誰もがそれらの情報の中から自分たちにとって必要なものを取捨選択し、自分で考え、より良い行動を行うために必要なモノです。

ですから、情報が足りない、何か他にあるのではないかなど、相手からの情報を待つだけでなく自ら積極的に求めることもあって当然です。

 

ポジションが上がるにつれて、メンバー達の報連相の未熟さを嘆く声が大きくなるのですが、仮に情報が必要なのがマネージャーの側なのであれば、「報連相しろ!」「なんで報連相できないんだ!」と上からの物言いではなく、「情報ないかな?」「何でもいいから情報ちょうだい」と自ら求める姿勢でも良いのではないでしょうか。

更に言うなれば、若手の内は、何が必要な情報なのか、情報が足りないのかも分からない場合があります。

「質問しろよ」「聞けよ」と、自らの情報発信の足りなさを棚に上げて、メンバーからの自発的な情報収集が悪いと嘆くマネージャーがいるのですが、それは違うと思うのです。聞かないメンバーが悪いのではなく、言わない上司が悪いのです。

だって、報連相はメンバーから行うものと、いったい誰が決めたのでしょうか?そんなルールはどこにもありません。

報連相は感謝の気持ちを表したもの。だとすれば、まず感謝すべきなのはマネージャーがメンバーに対して感謝すべきであり、マネージャーがメンバーに対して積極的に報連相をすべきなのではないでしょうか。

 

「課長はあまり詳しい事言ってくれないんだよね」

「聞けば教えてくれるけど、課長から部長会の内容とか言ってくれたことないよね。」

「『お前らは知らなくていい。お前らには関係ない。』とか言って、上で何が起こってるのかさっぱりわからないよね。」

「いつも結果ばかり突然聞かされるけど、経緯とかも知りたいよね。」

「計画がいつの間にか絶ち切れになっても、それについて説明ない事とか多くて、俺たちに報告求めるんだったら、上も良いことも悪いことも、ちゃんと説明してほしいよね。」

メンバーたちのこんな声が聞こえてきます。実際、あなたがメンバー時代には、同じような不満や悩みを持っていたのではないでしょうか?

ところがマネージャーになるといつの間にかその頃の気持ちを忘れてしまい、自らはメンバーに報連相を求める一方、メンバーに対して不十分であったりするのです。

 

メンバーの報連相が悪いと嘆く前に、自らのメンバーに対する報連相は十二分に適切に行われているかをまず振り返りませんか?

報連相はメンバーから行うものだけではないのです。

もし、マネージャーのあなたがしっかりと適切な報連相を行っていれば、自ずとメンバーもあなたに対して報連相を行ってくれるようになるでしょう。

 

メンバーはあなたの思った通りのことをするのではなく、あなたがやった通りのことをするのですから。

報連相は上司から。

チームのコミュニケーションが滞っているとしたら、それはマネージャーであるあなたに原因があるのだと、メンバーを責める前に自らを省みてくださいね。

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