マネジメント・リーダーシップ

稀勢の里から学んだリーダーの背中

大相撲春場所は稀勢の里の劇的な逆転優勝で幕を閉じました。本割、決定戦と続けての勝利。表彰式での涙に心を揺さぶられ、共に涙した方も多いのではないでしょうか。

 

13日目で負傷し、救急車で運ばれたとスポーツニュースで見た時には、「新横綱で欠場に追い込まれるなんて可哀想に」くらいにしか思っていませんでした。

ところが14日目も場所に出るというではないですか。横綱土俵入りの際の柏手は力弱く、左肩の具合が良くないことは傍目にもわかりました。結果、取り組みは黒星。千秋楽では、ケガがこれ以上ひどくならないようにと願いました。

本割では間合いが合わず仕切り直し後の取組み。「痛いんだからこれ以上頑張らなくていい!」と私はテレビの前で叫んでいました。奇跡の勝利!稀勢の里に力水をつけた弟弟子の高安は、自らの殊勲賞よりも稀勢の里の優勝を喜び、身体を震わせて号泣したそうです。「とても良いものを見せてもらった。刺激になった。報われてよかった。次は自分の番だ。」と。

 

優勝インタビューにおいて稀勢の里は「諦めないで最後まで力を出して良かった」と言っていました。13日目のケガで師匠からは休場を勧められたにもかかわらず、横綱の責任からなのか出場を断行したそうです。

高安同様、同部屋の弟弟子のみならず、稀勢の里の姿に多くのコトを感じた関係者は多かったのではないでしょうか。相撲の取組みは個人で行いますが、トップである横綱の姿勢は部屋に大きな影響を与え、同時に相撲界全体にも大きな影響を与えたことでしょう。

 

「リーダーは背中を見せることが大切」だとマネージャーの皆さんはよくおっしゃいます。

背中とはどんな背中なのでしょうか。成果を出すこと。それも大切でしょう。しかし、稀勢の里が最後まで諦めない「百折不撓」の姿を私たちに見せてくれたように、リーダーは自らの信念に基づいて自らを律し、まさに、リーダーとして、人としての信じる「あり方」を実践し続けることこそが背中を見せるということなだと改めて感じました。

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