誰だって変わることができる

機会は自分で創る

せっかく身に着けたスキルや学んだ知識、手に入れた情報を生かす機会が業務には見当たらず、悶々とした日々を過ごしていたMさん。
教育の機会を与えてくれる会社には感謝しているし、その環境は恵まれていると感じながらも、このままでは自分はダメになってしまうのではないかと、焦りにも似たモノがMさんを日々覆うようになりました。

ワークショップでそのことについて勇気を出して打ち明けたMさん。
「同じチームじゃないからかえって素直に言えた」と苦笑いしていますが、同じグループになった他のメンバーは、Mさんが本当は何にイライラしているのか、質問会議で探ってみる事になりました。

自信のキャリアビジョンを描けていないからじゃないか
ただのワガママ

いろいろな意見が出てきます。

そんな中、Mさんが言った一言がみんなの心に刺さりました。
「役に立ててる感がないんだよな。会社は高い研修費もいとわず払ってくれてありがたいんだけど、それを発揮できる場がないんだもん。」

するとYさんが当たり前のように言いました。
「だったら役に立てるよう、自分でその場を作ったらいいんじゃないの?」

「え?」

「だって、場がないんでしょ?だったら作ればいいじゃない!」

Mさんにとっては青天の霹靂とも言うべきYさんの発言。
しかしYさんからしてみれば、「役に立ててないのなら役に立てばいい」「その場がないのなら場を作ればいい」と、いたって当たり前のことを何故こうも悩むのかと思ったようです。

「役の立ち方とか場の創り方とかが分からないんなら、それはまた相談だけど、ないんだったら作る。それまでの事だよ。」

「なるほど・・・」

そこから話は一気に盛り上がりました。
Mさんはそもそもどんなスキルや知識、情報を持っていて、それが発揮できるとどんな良い事が会社にあるかということをまずグループのみんなに説明します。
他にもこんないいことがあるんじゃないか、こんなこともできるんじゃないかと、メンバーからもアイデアがどんどん出てきます。
専門的なことは分からないメンバーでも、
「だったらMさんがそういうことができるって、もっとアピールした方がいいんじゃないの?誰もMさんがそんなにスゴイって知らないんでしょ?それって、会社にとっても損失だよね。」
と言うと、
「今の仕事は『待ち』なんでしょ?Mさんの部署は今までそうだったかもしれないけど、『発信』しないと来るものも来ないから、もっとPRした方がいいんじゃない?」
「待ってる場合じゃないよ。Mさん、もっと会社に顔売らなきゃ!」
など、どんどんと「場を創る」話がグループメンバー全員でなされてきました。

「Mさん、今、どんな気持ち?」
話し合いを見守っていた私がMさんに尋ねると、満面の笑顔で応えてくれました。
「なんか、ウジウジしてたのがあほらしくなってきました。
なかったら作る。それだけの事なんですよね。
あれがない、これがない、と文句ばっかり言ってたんだと恥ずかしくなりました。
皆のおかげです!ほんと、このワークショップ、最高っす!」

なければ創る。
ただそれだけのコトですが、そこにいる仲間たちの自然な関わりのおかげで、その当たり前のことに気がつき、モヤモヤから脱出ができて前へ進むことができたMさん。

機会は自分で創る。
待っていても自分の都合よくベストなチャンスが訪れることは本当にごくごく稀です。
ですから機会は自分で創る。
Mさんも、あなたもです。

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