マネジメント・リーダーシップ

困った人にこそ感謝する

必須研修やワークショップでは、思いっきり斜に構えたり、つまらないモード全開だったり、PCカチャカチャ仕事をしながら露骨に拒否感を表したり、場合によっては攻撃的な質問や反論をしてきたり、あるいは何を聞いてもどんな話をしても無反応だったり、つまり、講師・ファシリテーターの立場から見ると「困った人」が時々見受けられます。

かつての私はこういう参加者がいた時、「まいったなぁ。どうやって攻略しようかなぁ。」と頭を悩ませたものです。
他の参加者へのマイナスな影響もありますし、できるものなら運営をスムースに行うために、こういう人には会社側から注意してほしいな、などと本音のところでは甘えた考えを持っていました。

しかし、今は全く違います。
もちろん、「困った人 大歓迎!」とは言いません。
そこまでは言いませんが、「困った人は師と思う」と考えるようになりました。

先日もこんなことがありました。
少人数でのグループセッション。
たった一人を除いて全員が大きく納得しているのですが、一人、頑として「僕には理解できません!」と言う人がいました。
他の参加者が「なんでわかんないんだよぉ。すっごい納得じゃん!」と言っても全く聞き入れる風もなく、「分らんもんは分からん!」と一層不機嫌になっていくのでした。

これをどう捉えるか。
たった一人でも理解できない人がいるということは、つまり、私の説明が完璧ではないということです。

「人の理解度はそれぞれ違う。響くポイントも受け取りやすい表現もそれぞれ違う。だから自分の感覚での説明で分からないメンバーを『あいつはダメだ』『物分かりが悪い』とレッテルを貼ってしまうのではなく、相手のツボをしっかりと見極めて説明の工夫をすることがマネージャー・リーダーには必要ですね。」

こんな風にお伝えしている私が、研修時に私の説明で理解できないという参加者を置き去りにしてしまっては、「言っていることとやっていることが全く違う、だたの綺麗ごと講師」になってしまいます。
困った人は私に「もっと成長しろ!」と課題を与えてくれているのだと考えれば、感謝の気持ちすら生まれてきて、心も穏やかに落ち着いて対応が可能になるのですから不思議なものです。

困った人に限らず、苦手な人、できれば関わり合いたくない人も同じですね。
そういった方々はある意味、自分自身の課題を正面きって提示してくれている人たちです。
イタイ自分を見せられるから困った、苦手と勝手に感じるだけで、成長ポイントに気づかせてくれる人と捉えなおせば苦手意識も薄まります。

困った人にこそ感謝する。
あなたは誰に感謝しますか?

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