マネジメント・リーダーシップ

種のお話

その昔、私がブラックマネージャーだった際に、上司に諭すように聞かされた「種のお話」
今では、マネージャー研修の際、必ずご紹介しています。

日当たりの良い肥沃な花壇にお花の種を蒔きました。
お水やり、草をむしり、綺麗な花が咲くことを願って、毎日毎日世話をします。
数日して、一つ芽が出て。
翌日になると、また芽が出て。
どんどんと芽が出て、茎が延び、葉が大きくなっていくのに、なかなか芽が出ない種があります。

「この種、だめだ。不良種かな? 捨てちゃえ!」
と花壇を掘り返してみると、今やっと地上に出そうな小さな小さな芽があり、しかし、地中にはすでにしっかりと根を張り、地表では何の変化も見えませんでしたが、地中で確かに成長していたことが分りました。

そう!
私たちは、ややもすると、目に見えている変化にばかり意識を取られ、目には見えない、人の心や意識の変化にまで気づくことなく、
「ダメだ!」「言っても無駄!」「使えない!」
と、メンバーにレッテルを貼ってしまうことがあります。
少なくと、私はそうだった・・・・

人の行動が目に見えて変化となって表れるには、そこに至るまでの心(意識)の大きな変化が必要なのに・・・
もちろん、朝顔だと思って蒔いた種なのに、いきなりヒマワリが芽を出したのなら、ヒマワリの花壇に植え替えてあげることは必要ですね。

でも、種にも個体差があり、成長のスピードはそれぞれです。
すぐに比較したり、レッテルを貼るのではなく、目に見えない変化にもしっかりと気を配りながら。
そう、人の成長はパンを焼くように簡単ではないのですから、じっくりと腰を据えて取り組むことが必要ですね。

そうそう、水や肥料のやり過ぎは、種を腐らせてしまう可能性もありますから、ほどほどに、ということも付け加えておきますね。

(2016年5月24日ブログを再掲)

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