誰だって変わることができる

意味のある偶然

一つ目の仕事を終え、急ぎ足で次の目的地へ向かっている時、何となく右側に顔を向けると、数メートル離れた地下鉄入り口のところで電話をしている一人の女性と目が合いました。
えっ?
その女性も私も大きく目を見開いてハタと互いをしっかりと見つめ直し、「あ~~~」と互いに声を上げていました。

彼女は大学時代の大親友。
顔を合わせるのは数年に1回。たまに電話やメールのやり取りはあってもそれは互いが「必要」としている時。それ以外はSNSの投稿で互いの近況を知る程度なのですが、それでも根っこでつながっているので私には大切な友達です。

「うそ~。元気?」「連絡しようと思ってたの~」
人目もはばからずキャッキャと話をする私達ですが、互いに次の予定があり、「じゃあ、またね。」と言ってすぐに別れました。

すごい偶然。いえ、偶然なんかじゃない。これは必然だ!
私はそう思いました。
最近私が関わる仕事では、彼女が専門とする分野の助言やサポートが必要だと感じる場面が複数回あり、彼女はまさにその分野では世界の第一人者と言っても良いスペシャリストなのですが、たった数分間の再会で私は今の事情をかいつまんで話すことができ、「じゃあ、一緒にやろうよ。連絡するね。」と言って私たちは別れました。
超プロフェッショナルの彼女の協力を得られるなんて100人力、いえ1000人力。それに久しぶりに彼女のポジティブエネルギーをもらうことができました。
なんて素敵な偶然! と思いました。

こんなこともありました。
ある勉強会でたまたま隣の席になった方はご両親の介護の件で私と興味関心がドンピシャ合い、しかも仕事での共通項もあるということで、前向きな再会をお約束しました。その方はは最初は別のグループだったのですが、その方のグループの人数が少なかったということで、たまたま私たちのグループに後から合流し、たまたま私の隣の席に座り、たまたました雑談から介護や私の前職の話になり、そして話が盛り上がったという経緯です。
またこんなこともあります。
ドッグランでワンママ友さんが「お友達の〇〇ちゃんが行っているトリミングサロンがね」と、雑談で口にしたペットサロンが気になって様子を見に行き、今はそのサロンはうちの子の終の棲家ならぬ終のサロンになりました。お蔭で大嫌いだった爪切りも寝転んでウトウトしているうちに終わり、アレルギーでカサカサになっていたお腹の皮膚も症状が改善されてきて。たまたま耳にしたサロンでしたが、そのサロンに出会ったおかげでうちの子にも私にとってもハッピーワンコライフに拍車がかかりました。

どれもこれも偶然の産物。セレンディピティ、予期せぬ幸運というやつです。
しかし、ただ幸運という名の偶然が降ってきたのではなく、単なる偶然をどう自分に意味づけるか、意味や意義のある偶然にするかが大切です。

「久しぶり~。懐かしいね。またね~。」でただ終わるのか。
彼女との再会を自分や彼女の今にどう意味づけするのか。
隣席の方とただ名刺交換をして終わるのか、今の自分の興味関心事を進んで自己開示して、そこに「自分も実は!」と声を上げてくれた人に「じゃあ、一緒に!」と笑顔を向けるのか。
雑談を雑談で終わらせしまうのか、頭の片隅に引っかかったコトを確かめるためにサロンに足を向けて自分の目と耳と感触で確かめ、こちらが必要としていることを打ち明け、先方からの提案に率直にイエスノーを伝えて、その結果、さらなるプラスアルファのサービスを受けるのか。

目の前に偶然=コトを起こすには「行動する」=NeedsやWant、Willを口にする、自ら発信して周囲に知ってもらうことは必要です。職場や自宅に閉じこもっていてはコトは起こりません。行動して初めて「何か=コト」が起こります。
そしてコトに出会ったら、それは本当に些細なコトかもしれませんが、「気づき」「受け取り」「意味づけ」し、「適切な行動を選択」しなければいけません。
目の前に起きたコトを、ただ起きたコトとしてスルーしてしまうのではなく、「意味のある偶然」として自分に意味づけする力、意味を発見する力を鍛えていくことで、誰もが意味なる偶然にたくさん出会えるようになるのです。

成功した人たち、特に科学者や何かを発見・発明した人、イノベーションを起こした人たちは皆一様に言います。
「ふとした偶然をきっかけにひらめく」「世の中にチャンスは目の前にいっっぱいある。目に見えていないだけで、あそこにもここにも、確かに、いっぱいある。」
そして弊社の「マネジメントガイド」にも「人の人生は偶然に左右されているが、その偶然は自分が起こしている」と記事があります。
今をより良いものにするために、意味のある偶然にたくさん出会いたいものです。

あなたは今日、どんな意味のある偶然に出会いましたか?

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