誰だって変わることができる

どうやって「やらせる」?

「困って相談してきたお客様に、色々と指示するんでしょ?けど、ちゃんとやる?どうやって、ちゃんとやらせるの?」

大学教授の友人からこんな質問をされました。
「学生にちゃんと勉強させるのも一苦労なんだよね。秘訣、教えてほしいんだけど。」
根っから天真爛漫な彼女は、まるで魔法か何かで学生を思い通りに勉強させられたらどんなにか良いのに、といった風に私に尋ねました。

「『やらせない』よ。伝えることはするけど、やるのは彼らだから、彼らが自発的にするのを見守る。」

信じられないという様子の彼女。
「それじゃあ、仕事にならないじゃない!」

「だからね、『やらせない』の。無理やりやらせたからと言って、結果なんか出ないもの。『やらせる』んじゃなくって、彼らが『やりたい』『やらなきゃ』『やった方がいい』と思うようにエネルギーを送るの。彼らを信じて、彼らの可能性とやる気とを信じてただ、エネルギーを送るだけ。」

「なんか、わかんない・・・」

「『やりたい』『やらなきゃ』『やった方がいい』と彼らが自ら思うように、自分でそう思うように、色々と働きかけるだけ。人によって感じ方や捉え方は違うから、それぞれがそう思うように、真心を持って受け取ってもらえるように働きかけるだけ。『やらせる』という無理やりではなく、あくまでも『やりたい』と自分が思って自ら行動しないと、結果なんか出ないから。『水を飲みたい』『喉が渇いた』と思う人には簡単にお水を飲んでもらえる、放っておいても飲んでくれるけど、飲みたいと思っていない人に無理やり飲ませることはできない。それとおんなじ。学生も、『勉強させる』じゃなくて、彼らが『知りたい』『学びたい』『成長したい』と思えるような環境を創って、後は信じて見守るのがどうかと思うけど・・・。」

「う~ん・・・ 私、理屈はわかるけど、『信じて待つ』とか性に合わないから無理!」
笑顔でそう言った彼女との話はそれで終わりました。
彼女とて同じです。
私が無理やり理詰めで説明し、渋々納得してもらったところで、そこに何の意味もありません。
いつか何かの時に、「そう言えば・・・」と思い出し、参考にしてもらえれば、それで良いかと、そんな日が来ることを信じて待つのみです。

「やらせる」のではなく、エネルギーを送って信じて待つ。
考えてみれば、じれったい仕事です。
けれどもそれが最も効果的だと思っています。
何故なら人の行動も考え方も、他人が無理やりコントロールすることはできないし、コントロールしてみたところで、結果的に何も良い事はないからです。

どうしてやらないんだろうね!
部下でも子供でも他人でも、こんな風に思った時には心の中で呟いてください。
「やらせる」のではなく、エネルギーを送って信じて待つ。
それはあなた自身の成長にもつながることと思います。

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