マネジメント・リーダーシップ

言いたいことを言うのではなく、伝わるために工夫する

新年度がスタートして早くも10日が経ちました。年月が経つのは年を追うごとに本当に早く感じます。

経営者となった今は、常にかなり先のことを考えながら今を走っていますが、マネージャー時代にはせいぜい1-2年先のことくらいしか考えていませんでした。若手時代に至っては、今しか見ていなかったと思います。

この、「どこを見ているか」によって物事の捉え方や判断が変わってくるのですが、若い頃、上司は先を見てモノを言っているのですがそれが分からずに、「どうしてそんな訳の分からない判断をするのだろうか。」と疑問に思ったことが何度もありました。

かたや自分がマネージャーになった時、先を見据えて物事を考えるのはごく当たり前のことになっているので自明の理として話してしまい、メンバーの納得を得られずに反発を買ってしまったことがあります。

 

私たちはその時々の立場でモノを見、考え、発言をします。

新人は新人の立場で。マネージャーはマネージャーの立場で。経営者は経営者の立場で。

それは決して悪いことでも間違いでもありません。

大切なことは自分の立場だけで物事を発信するのではなく、他者の理解を得たいと思うのであれば、相手にわかるように説明しなければいけないということです。

 

遠い昔の話です。

「よくわからないので、課長が結論を下すに至ったは背景を教えていただけますか?」と上司に言った時、

「そんなことはお前が知らなくてもいい。これはもう決めたことだから、それに従ってくれればいい。」との返事が返ってきたことがありました。

私は単なる歯車の一つにすぎないのかな、と悲しく思いました。

決定の経緯も分からず、決定内容そのものにも納得していなかったので、適当にしか取組まず、ほとんど成果が出なかったことを覚えています。

 

新年度は人事異動や新たなチーム編成、新たな事業方針の発表など、これまで以上に十二分な互いの意思疎通が求められます。忙しいからと必要最小限の事しか伝えないのではなく、お互いの立場に立った血の通ったコミュニケーションをしっかりと行うことがチームの土壌づくりに最も大切なのだと肝に銘じておきたいと思います。

 

 

 

タイトルとURLをコピーしました