マネジメント・リーダーシップ組織開発

マネージャーはドクターGを目指せ!

1週間以上続いている頭痛に悩まされている私ですが、
幸いにも、ドクターからの学びが多いことこの上ありません。

最初に診てくださったのは脳神経外科の女性ドクター。
問診だけで20分近くありました。
一つ一つ、丁寧に質問してくださるのですが、
電子カルテに入力しながらも、常に私の顔を見ながら
答える内容を確認するように、しっかりと復唱なさるのです。

その後、MRI等の検査を受けたのですが、
脳に異常は見られませんでした。
すると、ドクターの問診が追加で始まったのです。

それは、「え? そんなことまで?」「その質問?」
と驚くようなこともありました。
そんな問診が続いたのち、その女性ドクターはおっしゃたのです。

「脳神経外科の範疇では頭痛の原因は見つけられないので、
総合内科に紹介状を書くので診てもらって下さい。」

丁寧かつ親切なドクターの診察に、
既に私は大きな信頼感を寄せていたので、
二つ返事で総合内科の受診を了承しました。

総合内科の男性ドクターは、脳神経外科での事柄を引き継いで
更に私にあれこれと質問をします。
正直、お医者様からこんなにたくさんの質問をされたのは生まれて初めてです。

「今、頭痛と急激な高血圧という二つの症状が起きています。
これら二つはあくまでも「症状(状態)」であり、原因ではありません。
原因と思われる脳に異常がないのであれば、別の原因があるはずです。
その原因が高血圧を引き起こしてその結果、頭痛が起きているのか、
それとも原因が頭痛を引き起こしてその結果、高血圧になっているのか、
それを突き止めなければいけません。
つまり、頭痛と高血圧という症状のどちらが誘発要因になっているかによって、
病気そのものが変わってくるので、それを検査で探していきます。」

「うわぁ。まるでドクターGだわ!」
と思いながら私は話を聞いていました。
システム思考の最たるもの。
対症療法で頭痛薬処方して終わりのドクターとは違う。
さすが!!!

などと独り勝手に喜んでいました。

頭が痛いから頭痛薬
血圧が高いから降圧剤
これらはいずれも対症療法であって根本治療ではありません。
本来の原因にメスを入れなければ、それらの症状は
一見治まっているように見えても、
良くなっているわけではないのです。

これを組織に置き換えたなら、例えば、
ひどい頭痛=お客様からのクレームが多い
急激な高血圧=離職率の増加
としてみましょう。

クレームを起こしたメンバーに再教育してみたり
離職率を下げるためにやる気のあるメンバーを異動させたり
これらはどれも対症療法に過ぎません。

クレームが多発するその真因はどこにあるのか?
メンバー個人の能力によるものか?
本人のモチベーションによるものか?
それとも組織に要因があるのか?

離職率の増加の真因はどこにあるのか?
そもそも採用や人員配置に間違いがあるのか?
その組織特有の負荷がかかる何かがあるのか?
マネジメントが機能していないのか?

どんな問題が起こっているにせよ、
それらは「症状(状態)」であり、根本原因=真因ではないのです。
そんなこと、頭ではわかっているのに、
日常においてはついつい目先の事柄に追われ、
対症療法で終わっていることがあるように思います。

昔々のコマーシャルに
「クサイにおいは元から断たなきゃダメ!」
というのがありました。(同世代の方はご存じですよね?)

そう!元(真因)から断たなきゃダメなのです。

そして、その元(真因)を探し出すには、
ドクター達のように思い込みや当たり前を排除して、
一つ一つ丁寧に、あらゆる角度から絞り込んでいく。
〇〇の場合は△△なんだよね、と決めつけた時点で
そのジャッジは間違っている可能性が大いにあるということを
決して忘れてはいけません。

マネージャーは皆、ドクターGを目指せ!
なのです。

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