仕組みを整える

マネジメントこぼれ話

朝7時半頃に自宅インターフォンが鳴りました。
「こんな朝早くから誰?」 と思ったら、
パジャマ姿の父とその後ろに管理人さんがモニターに映っていました。
「由佳、あのね。パパ、わからんなったんよ・・・
あのね、なんぼだったんかいねぇ。わからんなったんよ・・・」

状況を察知した私は、慌てて1階へ降りていき、
管理人さんにお礼を言ってから
両親が住む向かいのマンションに父を送っていきました。

両親のマンションの入り口玄関は、鍵での開閉ができなくなっていて
一時的に、暗証番号での開錠になっているのですが、
父はその番号を忘れてしまったのです。
そんな時の事を考えて、鍵に番号を記したシールを貼っていたのですが、
今朝はシールを貼っていない母の鍵を持って外に出たようで、
中に入れずに途方に暮れていたところを、
私のマンションの管理人さんが父を見かけ、私に連絡をしてくれたのでした。


道路一本隔てただけの距離でも、もう離れて暮らすのはそろそろ限界なのかも。

そんなことを思いながらも、今すぐ一緒に生活できるわけではありません。
こんなことのないように何とかしなければ!
父がまた締め出されることのないよう、仕組みを整えなければいけません。

私が考えた仕組みは、こんな感じです。
両親が使う2つの鍵の両方に暗証番号を記した小さなプレートを
ぶら下げたこと。
父が外出の時に必ず持つポシェットにぶら下げているネームカードにも
暗証番号シールを貼ったこと。
携帯電話にも同様にシールを貼ったこと。
杖の持ち手にもシールを貼ったこと。
そして最後に、私のマンションの管理人さんにも暗証番号をお伝えして
万が一の時をお願いしたこと。

認知症が進んでいる父にとっては、
鍵にプレートを取り付けていても、
そのこと自体を思い出せなければ見ることをしないので、
複数の場所に分かる形で番号を記したのです。

今現在、私ができる仕組みづくりはここまでです。

「父が悪い!」と言っても何も問題は解決しません。
今後も同じことが繰り返させる可能性こそあっても
改善されることはないのです。
であれば、「うまくできる仕組みを作ること」が私の役目です。


これはビジネスにおいても同様です。

問題が起きたり、ミスが頻発したり、
その都度、誰かを責めたり、どこかのチームを非難したり、
そんなことをしても何の意味もありません。

上手くいく仕組み、
物事がスムーズに運ぶ仕組みを作ることこそが
リーダー、マネージャーの役割であり、
犯人探しをすることが仕事ではないのです。

より良い仕組みを作るためには、
「なぜ、そのことが起こっているのか」を
正しく知らなければなりません。
アイツが悪い、アソコが悪い、ではなく、
「何がそのコトを引き起こしているのか」を
究明し、そこから上手く進む仕組みを考えれば良いのです。


「1つの鍵にしかシール貼ってなかったけん、分からんかったね。
ごめんね。もう大丈夫なけんね。」

そう言うと、父は嬉しそうに笑っていました。


ビジネスではこんな風にはなかなか難しく、
ついつい眉間に皺が寄ってしまうことも正直あります。
それでも、メンバーのお陰で私がいられると
そこに「愛」を持つことができれば、
父に対してと同様、「どうしたら彼らがうまくできるか」
とポジティブな視点で考えられると思うのです。


リーダーやマネージャーの仕事は仕組みを整えること。
あなたのチーム、仕組みはちゃんと整えっていますか?



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