他人事上司とジブンゴト上司

マネジメントこぼれ話 誰だって変わることができる

「あの人はいつも他人事(ひとごと)なんだよね」

「当事者意識がないんだよ」

当の本人は当事者意識もあるし、他人事だなんて思っていないのに、
「上司としてジブンゴト化できていない」と言われてしまう人がいらっしゃいます。

それはなぜか???

それは、自分では「ジブンゴト」であり、「当事者意識ありあり」のつもりでも、
他人から見れば、「他人事」であり「当事者意識」がないからです。
つまり、自分では「そのつもり」でも、周囲からはそう見えない、ということです。

ではそれは、そう見てくれない相手が悪いのでしょうか。
見る人が見たら、ちゃんとこちらの意図したとおりに見てくれるのでしょうか。

答えは否!
おそらく、十中八九、あなたが望んだ見方をしてくれる人はいないでしょう。
なぜなら、「つもり」なだけであって、事実ではない場合が多いからです。

そもそも、「ジブンゴト」と「他人事」の違いは何でしょうか。

例えば、部下がとんでもない失敗をしでかして会社に大損失を与えてしまった。
お客様はカンカン。役員たちも上司であるあなたに怒りの矛先を向けている。
こんな時、「なにやってくれちゃったの」「参ったよな」
「もうちょっと優秀な部下が欲しいんですけど」
「なんでいつもこんな目にあうのかなぁ」
これらはもう、典型的他人事上司です。
積極的に問題解決に取り組み、誠心誠意お客様へお詫びをし、
結果的に上手く物事が運んだとしても、
こんな風に考えたり思ったりするのは他人事上司であり、
つまりは他責さんなのです。
だってそうではないですか。
物事の責任は全て「他人」、自分以外の所にあるのです。
どういう行動を取ったかが問題なのではなく、どう感じどう考えているかが問題なのです。
そしてこの場合、どんなに模範的行動を取り、良い結果が得られたとしても、
それらは表面的なものでしかありません。
なぜなら他人事オーラは部下や周囲に滲み出るものです。
「●●部長って恩着せがましいよね」となる場合もあるでしょうし、
口先の指示ばかりで自分が行動しなければ、
「●●部長って責任取らないよね」となるのです。
そう、つまりは、立派な他人事上司なのです。

ではジブンゴト上司はこんな時にどう考えるのでしょうか。
「この場面で自分がしなければいけない事は何だろう」
「問題が起こった背景には一体何があったんだろう」
「この問題からどうやったらお客様との関係を深くしていけるだろう」
「今回のことは、自分やチームにどんな経験と学びとなるのだろう」

もちろん、火消しの真っ最中にこんな風に考えている人は少ないかもしれません。
しかし、少なくとも「まったくぅ」とか「まいったな」とか「またアイツかよ」
などと思うことはなく、「どうしたらコノコトが活かせるか」という思考に
なっているはずです。
ジブンゴト上司のオーラは
「一生懸命」「必死」「親身」というふうに周囲に伝わるかもしれませんし、
そんな姿が信頼、尊敬に結びつくのかもしれません。

何か問題が起きて部下の信頼を失うようなことがあった場合、
他人事上司は「部下から信頼されていない・・・」と、
そうなってしまった自分を嘆くのでしょうが、
ジブンゴト上司は「信頼できる上司を持てないなんて、部下に申し訳ない」
と自己責任の考え方をするのでしょう。

他人事(ひとごと)とは他責。ジブンゴトとは自己責任。
どちらもモノの考え方ですが、これは人のあり方(スタンス)として、
自分にも周囲にも大きな影響を与える、とても大切なコトなのです。

上司でなくても、どんな人にも他人事とジブンゴトの考え方は当てはまります。

講師の教え方が悪いのでわかりませーん。
上司が厳しいのでモチベーションが下がりますぅ。
部下から報告がなかったのでお客様の要望に応えられませんでした。

これらは全て他人事さん(=他責さん)の発言です。

講師の教え方が悪いのではなく、
「教えてもらう」という受け身スタンスがそもそも間違っているのです。
「教えてもらう」のではなく、「いかに自ら学び取るか」の積極的スタンスがあれば、
どんな教え方であろうと、質問する、食らいつく、
色々考えてみるなどの工夫が生まれるというものです。

上司が厳しいからモチベーションが下がるは、
相手の責任にしている他責の典型です。
モチベーションは自分でコントロールするもの。
都合よく他人のせいにして言い訳をしているだけです。
上司が厳しかろうが優しかろうが、
目指すコトに自分の意識がしっかりと向いていれば、
そんなことは関係ないはずです。
モチベーションが下がると思うのなら、
「上がる工夫をしてみなさい」と私は言いたいです。

部下からの報告がなかった云々も、他責の典型ですね。
報告がなかったのは、報告してもらえるよう、
上司として適切に関われていなかっただけの話で、
自分の無策を恥じることはあっても、決して部下のせいにしてはいけません。


つまり、ジブンゴトとは、極論を言えは、
雨が降っても槍が降っても、何が起きても
「起こっているすべての事は自分に責任がある」
と捉えて行動できるかどうか、ということです。

そんなの無理・・・
というあなた。
そう、難しいのです。ジブンゴトとは。
そして他人事(=他責)の方が、一見、楽なような気がする。
だって、自分は悪くないから。

でも、相手のせいである限り、問題の解決も相手に委ねらえており、
そこに対するストレスを自分ではどうにもすることはできません。
ジブンゴトであるならば、「自分はどうするか」の考えに基づいて、
目の前の事柄に自分なりの対応が可能になりますので、
たとえそれがほんの小さなコトであったとしても、前へ進むことができるのです。

とここまで偉そうに綴っておきながら、
数年前での私自身の他人事上司度がいかに酷かったかを思い出すにつけ、
穴があったら入りたいと思うのですが、
あの時に恥ずかしい自分がいるから、今、つまづいている人の気持ちも分かるというもの。
その頃の自分を愛おしく思ったりもしています。

他人事上司とジブンゴト上司。

自分では他人事とは思っていない!
と思っていても、もし、誰かにそう言われたとしたら、きっと、そうなのです。
そんな時、言われた自分を哀れんだり、
言った相手を恨んだりするのではなく
(それこそが他人事=他責行為の典型ですので)
「コノコトをどう活かすか」とジブンゴト化してみませんか。
その瞬間から、あなたのジブンゴト化への旅が始まるのかもしれません。

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